大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和42(あ)2843 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における未決勾留日数中三〇日を本刑に算入する。

理 由

被告人および弁護人伊藤哲郎の各上告趣意は、いずれも事実誤認の主張であつて、

刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない(原判決は、第一審判決を破棄して自判す

るにあたり第一審判決判示の罪となるべき事実および法律の適用を引用していると

ころ、第一審判決は、罰条として盗犯等の防止及び処分に関する法律三条、刑法二

三五条、二四三条を適用しているが、被告人の本件行為は、同一の機会に同一の被

害者からまず現金千円をすり取り、さらに現金七千円をすり取ろうとしたが逮捕さ

れて遂げなかつたというものであつて、畢竟、包括して窃盗既遂の一個の罪と認め

るべきものであるから、原判決が刑法二三五条のほか、同法二四三条をも適用した

のは誤りといわなければならない。しかし、原判決は、本件窃盗既遂の罰条である

盗犯等の防止及び処分に関する法律三条、刑法二三五条適用しているのであるから、

右の誤りは判決に影響を及ぼすものではない。)。

よつて、同法四一四条、三八六条一項三号、刑法二一条、刑訴法一八一条一項但

書により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

昭和四三年六月一八日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 松 本 正 雄

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 飯 村 義 美

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